巨大な小売企業が、HPE GreenLake for Arubaを活用し、オンラインと実店舗でのショッピングエクスペリエンスを大規模に融合

ウェアハウススタイルのショッピングには有利な点がたくさんあります。1か所で多様な商品とサービスを提供することで、顧客の想像力は刺激され、新しいプロジェクトのアイデアが豊富に湧き上がってきます。各ストアには5万点の多様な商品が並び、オンラインショップでは数百万もの商品が販売されています。そのためお客様は、その膨大な数の選択肢をシームレスにナビゲートする方法を必要としていました。

「お客様の期待は、常に急速なペースで変化しています」と、The Home Depot社のテクノロジー担当バイスプレジデントであるDaniel Grider氏は語ります。「お客様の期待は何だろうか? どこで、どのように 買い物をしたいのだろうか? 私たちは、カスタマー・エクスペリエンスを改善するために、これらの優先事項に投資する必要があることを理解していました」

大手小売業の大きな変化、NaaSを活用

The Home Depot社は、パンデミック前からのショッピング環境の変化に伴い、オンラインと実店舗でのショッピングエクスペリエンスを融合するために、One Home Depotイニシアチブを立ち上げました。パンデミック下では数百万という人々が自宅のリフォームを進めたことで、オンラインだけでなく実店舗の売上も急増しました。

The Home Depot社がこうした機会を提供するだけでなく、不確実性の高い時期に大きな成功を収めていくには、オンラインと2,300以上の店舗でのエクスペリエンスに重点を置くことが必要でした。これを実現することは、小売業を展開する場所とその周囲でネットワーキングの量と質を大きく改善することにつながりますが、きわめて大規模な展開が必要です。

Grider氏は次のように当時を振り返ります。「私たちはこれを実現するために必要なものと、先行投資について検討しました。そして5年先を見据え、すべてを刷新するための費用を査定しました、そこで、別のアプローチが必要だと分かりました」

Grider氏は、費用の視点からだけではなく、ネットワークソリューションの導入と継続的な管理における複雑性を排除したいと考えました。

The Home Depot社は、HPE GreenLake for Arubaを通して提供されるAruba Edge Services Platform (ESP) 上で自社のイニシアチブを構築することにしました。これは、フレキシブルな消費とサブスクリプションベースモデルでリソースを導入するのを可能にする、Network as a Service (NaaS) ソリューションです。

自由なスケーリング、業務を拡大する能力

The Home Depot社の新しいワイヤレスソリューションは、Aruba Centralを通じて管理されるArubaアクセスポイント (AP) で構成され、プロアクティブなネットワークの健全性とセキュリティプロファイル監視を行うクラウドベースの人工知能主導のITオペレーション (AIOps) 機能を備えています。このテクノロジーには、Aruba APを使用したArubaロケーションサービスが含まれています。

「HPE GreenLake for Arubaは、各店舗に広範囲にわたるワイヤレスカバレッジを確保するだけでなく、その管理と新しいシステムの導入の促進を簡素化します」と、Grider氏は語ります。

エッジ、さらにその先での成果を改善する

最も重要なのは、The Home Depot社でショッピングや作業をしやすくするのは同社の新しいネットワークだという点です。

Grider氏は次のように説明します。「私たちの環境はウェアハウスであり、販売スペースには高層棚と多数の商品があります。このため、あちこちに移動してカバレッジを継続的に実現するのは困難です。HPE GreenLake for Arubaの最も素晴らしい特徴の1つは、達成可能なワイヤレスカバレッジのスケールです」

さらに、この導入により、The Home Depot社は従来のエッジの境界を超えてコネクティビティを拡大し、店舗外のエリアも網羅できました。「ガーデンセンターの外や、季節限定の区画でショッピングをする場合でも、常に確かなコネクティビティを提供したいのです」

モバイルデバイスのイノベーションへの道を拓く

この導入によって、販売員用の新しい携帯式デバイスのカスタムデザインについても道が拓かれました。

Grider氏は次のように説明します。「私たちはZebra Technologies社と協力して、Arubaアクセスポイントに搭載されている機能 (テクノロジー) を活用した電話環境を構築しました。今では、お客様と販売員の両方を手助けできるものを提供できたように感じています」

最も肝心な時のアジリティ

The Home Depot社に新しいレベルのビジネスアジリティを与えたのはネットワークへの投資です。「HPE GreenLake for Arubaによって、きわめて迅速に行動し、必要に応じて新しいソリューションを提供する能力が得られました」と、Grider氏は語ります。

たとえば、パンデミック初期の頃、地方自治体はカーブサイドピックアップのオプションを小売業者に義務づけました。The Home Depot社は不可欠な事業として分類されていたため、アウトドアネットワーキング機能を迅速に拡張する必要があることに気付きました。

Grider氏はこう説明します。「以前は、カーブサイドピックアップには本格的に取り組んでいませんでした。しかし、私たちは需要の変化に応じて軸足を移すことのできる基盤があることが分かりました。店頭で、ワイヤレス接続を4～6メートルほど延長したのではありません。そのカバレッジを90メートルに拡大したのです。カバレッジとしては、画期的な距離です」

常にニーズに応える

パンデミックが起きたとき、世界中の人々が突然、かつてないほど長い時間を家で過ごすようになりました。人々が自宅のスペースをより快適に、自分の好みに合ったように整え、しかも効率的にしたいと考えるのは当然のことでした。The Home Depot社にはこれを支援する準備ができていました。

Grider氏は次のように語ります。「当社は、正しいことを即実行に移すという文化があります。私たちは、国内各地の実店舗においても自然災害を経験してきました。そのため当社のチームは、常に全力を尽くすことが重要だと認識しています。

私たちには、チームをサポートするイノベーションの基盤があったからこそパンデミックの間も的確に対応することができました。パンデミックによって、すでに計画していた多くの作業と投資が加速的に進みました」

カスタマージャーニーへの手助け

小売業の新しいソリューションのもう一つの利点は、HPE GreenLake for Arubaによってサポートおよび管理されていることです。

Grider氏は次のように説明します。「私たちは、製品を開発し市場投入してサポートを行い、日々の分析を管理する人々を信頼しています。テクノロジーとエンジニアリングリソースから意思決定の負担を取り除くことで、より戦略的なビジネス価値の創出に専念できるようになります」

生産能力が高まるだけでなく、Grider氏と彼が率いるITチームは安心感も得られます。「HPE GreenLake for Arubaは、ワイヤレスコネクティビティ全体の状態から、その監視と健全性にいたるまで、ストアで発生していることを理解するうえで本当に不可欠です」

より良いものへの飽くなき追求

コネクティビティが実現され、The Home Depot社はスムーズで相互接続されたリテール体験という約束の実現に一歩近づきました。

Grider氏は次のように語ります。「私たちはオンラインを実店舗への『フロントドア』と呼ぶようになりました。これが意味することは、オンラインで注文する人の半数が、購入した商品を店舗で受け取ることを希望しているということです。お客様は、購入した商品が自宅に配達されるのを好みません」

Grider氏は次のように付け加えています。「私たちは、自宅でのオンラインブラウジング (ショッピング) から店舗に足を踏み入れる瞬間まで、どこでも同じエクスペリエンスが得られることが重要だと考えています。同じエクスペリエンスでなければなりません」

The Home Depot社は、コネクティビティを活かし、カスタマージャーニーを利用客主導にすることに重点を置いた小売店の取り組みを支援しています。Grider氏は次のように語ります。「お客様は運転席にいて、希望の目的地に向かおうとしています。そのジャーニーでお客様のニーズが満たされるかどうかは、私たち次第なのです」